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at THE LIBRARY

24 May.

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#7 Marefumi Komura / 小村希史

− 小村さんが画家になろうと思ったきっかけを教えて下さい。

絵を描く事は最も自由な表現方法なんじゃないかって、二十歳ぐらいの頃にある時気がついたんです。伝わるかどうかわからないけれど、絵って反抗的でワルいなって。これは僕が始めに音楽に興味を持った事と関係があると思っています。
小学校の頃は映画音楽、中学はパンクロックやハードロックの音楽を聞いていました。そして、高校生の頃にはもっと実験的な音楽、現代音楽も含めてメロディーがあるのか無いのかわからない様な音楽にも面白いと思うようになりました。
例えばサティのヴェクサシオン、840回同じ旋律を繰り返すなんていう事を何かで知った時にワルぃなぁ~って思ったんです。他にもサティのこれは家具の音楽だから意識して聴いちゃダメ、シュトックハウゼンのヘリコプターに乗りながら演奏する、挙げ句の果てにケージの4分33秒何も弾かない…この人達ワルぃ事してるなぁ~って。このワルいっていうのは、反抗心から来る想像力だったり、モノを作り上げる気持ちの事だと思っています。
絵とか画家を意識し出したのも、そういう事がある気がしていて、学生の頃は漠然とした不満や不安が凄くありますから。そうした感情を自由に乗り越える事の出来る方法、しかも一人で出来る方法が絵を描く行為だと気が付いた二十歳ぐらいの頃が出発点な気がしています。

− 小村さんの製作活動には多面性がありますね。絵画の人物画や、抽象画だけでなく、今回の展示でも音楽や本など多岐に渡ります。

音楽にはもともと興味はあったし、本も佇まいを含めて好きなんです。本という物体が好きで、やっぱり自分でも作りたい。食べられるなら食べてしまいたい。お金がかかるから大した本は作れないけれど、その中で色々試してみたい。だから本屋に行ったりレコード屋に行って見ていても、自分の本を作る事しか考えてないんです。
本も音楽も自分の絵に寄せる、という考えがあります。作り上げる気持ちの事だと思っています。
絵とか画家を意識し出したのも、そういう事がある気がしていて、学生の頃は漠然とした不満や不安が凄くありますから。そうした感情を自由に乗り越える事の出来る方法、しかも一人で出来る方法が絵を描く行為だと気が付いた二十歳ぐらいの頃が出発点な気がしています。

− 絵画における表現の追求、インスタグラムでのユーモアも多面性を感じる要因です。

眠りながら絵を描いている事も多いので、絵の事は自分なりに追求しているんだと思います。
インスタグラムなどの事は、正直自分でも何をしてるのか判ってません。僕は投稿するだけで見に行きませんし、じゃあ辞めちゃえば?って考えるけど、オモチャをイジっている感じです。
僕はここ数年間、滋賀県に住むある事で知り合った80超えたおじいちゃんと文通をしているんですけど、届く手紙が刺激的で封筒も手作り、カセットテープも届きます。
ちょっと想像を超えてくるユーモアがある。よりプライベートになる方が、多面的になるんだと思います。

− 作品を語られるときに、不完全さ、断片などの表現が見受けられます。

壊れやすさFragility、
砕けてるfracture、
断片はfractionとかfragment。

これはどれも同じラテン語のfrangoがルーツです。こういう事が感覚的に小さい頃からあるんです。 もちろん、一般社会では不完全なモノが多ければ困る事が多くなるので、よくありません。 衣食住の事を考えても、破れていたり、欠陥住宅、不衛生な食、そんなものでは困ります。 でも、反対に絵や表現の世界では、不完全の美っていうのは僕の中にずっとある美意識なんです。

− 今回の展示のテーマ、He絵nka(変化)に込められた思いとは。

マーク・ロスコのように、公共の場所に絵を飾るべきじゃない、という考えも僕の中にはあります。でもギャラリーでは無い場所に絵が置かれるという事も面白い?と思う矛盾した感情も持っているんです。だったら今回はそうした変化を楽しんでみようと思い、まずは絵の場所の変化、実物の絵が複製されたTシャツと同じ空間にある、という普段あまりギャラリーなどでは無いような状況の変化を楽しみたいと考えました。そして、Tシャツを着替える意味の変化という事を考えました。私達が着ている服は、思ってる以上に影響力が高く、人を変化させるものだと言われています。着衣認識(Enclothed Cognition)という言葉があるように、見た目を変化させる事だけでなく、実際に行動や振る舞い、さらには思考までも変化させるものです。この絵のTシャツを着る事だって、私たち自身や周囲を変えていけるはずだという思いで、変化をアルファベットのHenkaにしてeの横に絵を置いて『He絵nka』にしてみました。

− TシャツのCOLORを敢えて選ばれたのはなぜですか?

もう一つ軽い、多面性のある表現のTシャツ案が欲しいとの提案だったので、何か絵にまつわる言葉、でも誰にでも当てはまる言葉を考えました。
前に小村の小を ○l○って表記して遊んでいて、今回それがOLOに変化して、CとRをつけてみたらCOLORになりました。
それと画家の職業柄よく絵の具で手が汚れるわけですが、指で摘んで引っ掛けられるように自分でよくTシャツの後ろにフックを縫い付けていていたんです。
今回それもつけてもらいました。

− 今回のHe絵nkaは音楽もありましたが、音楽に取り組み始めた経緯や、音楽での表現について教えてください。

音をどうしたら絵画に近づけることができるか、自分には何ができるのかと、数年前にEnd Loopという方法を思いついてCDを作りました。さまざまな曲の1番最後の消え去っていく音をループしています。今回はループが変化して、始めと最後の音は違った結果になっています。
昔から画家が作った音楽には興味があって、デュビュッフェ、ピカビア、日本では有元利夫、大竹伸朗さん、浦上玉堂まで音楽を残しています。『古美術30 特集:浦上玉堂』にはソノシートが挟まれていて、玉堂作曲の七絃琴の曲が3曲聞く事ができます。これは凄く良いです。

− インスピレーションを受ける、よく観る(お気に入り)の本はありますか?

モランディ、熊谷守一は好きな画家なのでよく見ます。
僕は小説を沢山読む方ではないけれど、唯一読むのが多和田葉子さん。『カタコトのうわごと』はエッセイ集で、文字や言葉の事が書かれてあるのに、自分の絵につながる要素が散りばめられています。
『芹沢銈介 作品/コレクション』は、絵のヒントが沢山隠されているのでよく見ます。何かヒントを得たい時には、もっといい加減で無秩序で役に立たないような本が良いと思っていて、いつかそういう本も作ってみたいです。

小村希史 / Marefumi Komura
画家。東京を拠点に活動。
これまでの主な展覧会に、2018年 「大きな船 / Big Ship」(The Mass)、2017年 「銀座 / Ginza」(Morioka-Shoten)、2016年「Flower Huddle」(The Mass)、2014年「3331 Art Fair - Various Collectors’ Prizes」(アーツ千代田3331、東京)、2013年「Why not love for Art? II」(東京オペラシティ アートギャラリー)

5.24 fri. - 6.2 sun.

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