【お知らせ】ゴールデンウィーク期間について
at THE LIBRARY
at THE LIBRARY

at THE LIBRARY

2019.06.14

#8 Saiko Fukuoka / 福岡彩子

シンプルなフォルムと独特な色合いの釉薬が印象的な福岡彩子さんの器たち。シンプルなフォルムは日常に馴染み、釉薬の色彩は今までの料理を新しい景色を与え、新鮮さをもたらします。
今回、大阪の福岡さんのアトリエにお伺いして、THE LIBRARYのためにスペシャルカラーのオーダーをお願いしました。

アトリエ風景。釉薬をかけ乾燥させる工程。

− 器を作る(器作家になる)きっかけを教えてください。

父が彫刻家、母は美術教師という家庭に育ちましたので、よく芸術一家ですねと言われますが、最初は自分がつくるひとになるという選択肢はまったくなくて…。どちらかというと、つくるひとをサポートする方が向いていると思っていました。安藤忠雄さんの事務所にいた頃、建築とはスケールが全く違いますが、ひとが使うものをデザインすることって面白そうだなと。

母が陶芸をしていましたので環境が整っていたことや、料理にあわせた器選びも凝るほうで、自分が器を作る前から焼きもの好き。それまで自分が歩んできたことが一気にリンクした感じです。

− ご自身で作る前と後では器選びの好みや基準は何か変わられましたか?

特に変わってはいないですね。シンプルで佇まいの美しいものにひかれます。器に興味を持った当時はまだシュッとした感じの作家ものの器は少なくて…。もうちょっとこんなふうだったらな…みたいな想いが自分の作風に現れているのかもしれません。

− 釉薬は、色だけでなく、たまりや流れに表情がありますね。一つ一つ表情があるので、そこにもとても惹かれました。

プロダクトとは違って、人がつくったものとしての痕跡みたいなものが現れればいいかなと意識的にしていることもありますが、窯に委ねるところも多いんですよね。最後は窯次第。泣いたり、笑ったり、コントロールしきれないところにやきもののおもしろさを感じています。

スタッキングした時にわかる歪みは、手引きの器ならでは。
作陶中の様子。まさに掌から器が生まれる。

− シンプルな中に、ニュアンスのある釉薬とフラットな面とエッジが際立った形をしていますね。釉薬と対照的なブレの無い形をしていると感じますが、かたちについて意識されたことや、定番のかたちたちはどのように生まれたのでしょうか?

できるだけ手数は少なく、スッとした形になるようにこころがけています。かたち(デザイン?)は自分にとっての心地よさを重視していますね。幼い頃からとにかくものを見ることやそれを並べたりするのが好きで、空間に対して自分なりのおさまりのいい形があるような気がします。デザイン画を描いたりすることはなくて、いきなり轆轤でかたちをおこしていきます。掌から生まれる感じ。そうして繰り返し繰り返しつくってきたものが定番になってきたように思います。

− 相反するものがありながらシンプルで静かな佇まいですね。シンプルであることに拘りはありますか?

ものすごく拘りがあるわけではないですね。 自分が選ぶ「もの・こと」がシンプルよりなのだと思います。自分の身の回りのものはもちろん、仕事の進め方とか、人間関係も含めて。ごちゃっとした感じとかややこしいこととか苦手で…。

− 器を作る(器作家になる)きっかけを教えてください。

父が彫刻家、母は美術教師という家庭に育ちましたので、よく芸術一家ですねと言われますが、最初は自分がつくるひとになるという選択肢はまったくなくて…。どちらかというと、つくるひとをサポートする方が向いていると思っていました。安藤忠雄さんの事務所にいた頃、建築とはスケールが全く違いますが、ひとが使うものをデザインすることって面白そうだなと。

母が陶芸をしていましたので環境が整っていたことや、料理にあわせた器選びも凝るほうで、自分が器を作る前から焼きもの好き。それまで自分が歩んできたことが一気にリンクした感じです。

アトリエ風景。釉薬をかけ乾燥させる工程。

− ご自身で作る前と後では器選びの好みや基準は何か変わられましたか?

特に変わってはいないですね。シンプルで佇まいの美しいものにひかれます。器に興味を持った当時はまだシュッとした感じの作家ものの器は少なくて…。もうちょっとこんなふうだったらな…みたいな想いが自分の作風に現れているのかもしれません。

− 釉薬は、色だけでなく、たまりや流れに表情がありますね。一つ一つ表情があるので、そこにもとても惹かれました。

プロダクトとは違って、人がつくったものとしての痕跡みたいなものが現れればいいかなと意識的にしていることもありますが、窯に委ねるところも多いんですよね。最後は窯次第。泣いたり、笑ったり、コントロールしきれないところにやきもののおもしろさを感じています。

スタッキングした時にわかる歪みは、手引きの器ならでは。

− シンプルな中に、ニュアンスのある釉薬とフラットな面とエッジが際立った形をしていますね。釉薬と対照的なブレの無い形をしていると感じますが、かたちについて意識されたことや、定番のかたちたちはどのように生まれたのでしょうか?

できるだけ手数は少なく、スッとした形になるようにこころがけています。かたち(デザイン?)は自分にとっての心地よさを重視していますね。幼い頃からとにかくものを見ることやそれを並べたりするのが好きで、空間に対して自分なりのおさまりのいい形があるような気がします。デザイン画を描いたりすることはなくて、いきなり轆轤でかたちをおこしていきます。掌から生まれる感じ。そうして繰り返し繰り返しつくってきたものが定番になってきたように思います。

− 相反するものがありながらシンプルで静かな佇まいですね。シンプルであることに拘りはありますか?

ものすごく拘りがあるわけではないですね。 自分が選ぶ「もの・こと」がシンプルよりなのだと思います。自分の身の回りのものはもちろん、仕事の進め方とか、人間関係も含めて。ごちゃっとした感じとかややこしいこととか苦手で…。

作陶中の様子。まさに掌から器が生まれる。

− 定番の色や形がありますが、なぜこの展開になったのでしょう?

うつわをつくり始めた頃は白一色だったんです。展覧会のお話をいただくとまず展示風景を思い浮かべるんですね。そうするとなんとなく茶色もあったほうがいいなぁ〜とか、このうつわの隣にこんなかたちのものもあったら引き締まるなぁ〜とか…空間を意識しながら、在ったほうがよいもの、無くてもよいものを選んでいった結果なのかなと思います。

ブルーグレイは東京のあるお店で個展をさせていただいた時に店主さんがブルーグレイのクロスをあしらってくださって。それが見事にマッチしていて。3色目は絶対これにしようと思いました。

White / たまごの殻のような表情の釉薬。
Blue gray / マットな質感が特徴

− 今回、THE LIBRARYのために特別な色を作って頂きました。ボトム素材のチノの色から発展していきましたね。なぜ、チノの色に興味を持たれたのですか?

スタッフさんが着ていらしたボトムがとっても印象的だったからかな?(笑)マスタードもいいなと感じましたが、既存のカラーにも合わせるには少しグリーンがかっているカーキベージュのほうがあうと思ったので。

− 今回のスペシャルカラーFawn(子鹿色)、なぜこの色名にされましたか?

出来上がったカーキベージュの釉薬は重なったところのほうが薄くなるというか白っぽくなるんですね。もやもや感のある釉調も子鹿の毛並みっぽいし、これだなと思いました。

福岡 彩子
1966 堺市生まれ。
1989 同志社女子大学家政学部家政学科卒業
2001 英国バーススパ大学美術学部陶芸学科中退
2003 滋賀県立陶芸の森スタジオアーティスト
2009 Sophora(京都)にて初個展以降、
全国各地にて個展、企画展、クラフトフェアに出展。

Fawn / THE LIBRARY スペシャルカラー

− 定番の色や形がありますが、なぜこの展開になったのでしょう?

うつわをつくり始めた頃は白一色だったんです。展覧会のお話をいただくとまず展示風景を思い浮かべるんですね。そうするとなんとなく茶色もあったほうがいいなぁ〜とか、このうつわの隣にこんなかたちのものもあったら引き締まるなぁ〜とか…空間を意識しながら、在ったほうがよいもの、無くてもよいものを選んでいった結果なのかなと思います。

ブルーグレイは東京のあるお店で個展をさせていただいた時に店主さんがブルーグレイのクロスをあしらってくださって。それが見事にマッチしていて。3色目は絶対これにしようと思いました。

White / たまごの殻のような表情の釉薬。

Blue gray / マットな質感が特徴

− 今回、THE LIBRARYのために特別な色を作って頂きました。ボトム素材のチノの色から発展していきましたね。なぜ、チノの色に興味を持たれたのですか?

スタッフさんが着ていらしたボトムがとっても印象的だったからかな?(笑)マスタードもいいなと感じましたが、既存のカラーにも合わせるには少しグリーンがかっているカーキベージュのほうがあうと思ったので。

− 今回のスペシャルカラーFawn(子鹿色)、なぜこの色名にされましたか?

出来上がったカーキベージュの釉薬は重なったところのほうが薄くなるというか白っぽくなるんですね。もやもや感のある釉調も子鹿の毛並みっぽいし、これだなと思いました。

Fawn / THE LIBRARY スペシャルカラー

福岡 彩子
1966 堺市生まれ。
1989 同志社女子大学家政学部家政学科卒業
2001 英国バーススパ大学美術学部陶芸学科中退
2003 滋賀県立陶芸の森スタジオアーティスト
2009 Sophora(京都)にて初個展以降、
全国各地にて個展、企画展、クラフトフェアに出展。

SAIKO FUKUOKA
CERAMIC EXHIBITION

6.14 fri. - 23 sun.